みなさん、おはこんばんにちわ!ジョージぱぱです。
いちごの生育の過程でみなさん必ずお困りになるのは、病害虫のことですよね?
育苗期間・本舗に定植後・収穫期など、どの期間でも病害虫は発生します。
しかしながら、病害虫の種類や発生原因が分かっていないと対処も出来ません。そのため、
気付きが遅いと手遅れにもなりかねません。
今回の記事では、いちごを育てている方が管理する上で困ることが無いように、
病害虫の種類と防除方法を簡単にまとめてみました。
少しでもお役に立てるようにまとめてみましたので、ぜひご活用してください。
筆者自身は法人のいちご農家でいちご生育と管理を一人で担当した経験があります。
大ベテランの農家様の方がたと比べると劣りますが、一人で管理してきたからこその
経験と知識も多少あります。
今後もいちごのことについて記事を書くので、良ければ見て下さいね!
目次
病気系 6種類
炭疽病
- 葉柄やランナーに黒色のやや陥没した円型病斑を形成し、多発すると
葉身に汚斑状黒色病斑を生じます。 - 多湿時に葉柄やランナーの病斑上に鮭肉色の胞子塊を形成し、雨滴あるいは潅水等
によって周囲に伝染します。 - 高温時には、株が急激に萎凋・枯死します。
- 萎れ始めた株のクラウン部を切断すると、托葉のあたりから褐色ないし暗褐色の
変色腐敗が内部に向かって進行しています。
- 発育適温28度で高温を好みます。
- 潜在感染した親株や被害残渣を含む土壌が第一次感染源となります。炭疽病は
菌の胞子が雨や潅水のしぶきに混じって飛散・伝染します。
- 育苗期間中は高温多湿な環境を出来るだけ避けるようにします。
- 育苗期間中に防除をしっかり行うことが何より大切です。
- 発生株は速やかに除去し、焼却するかビニール袋に完全に包み、病原菌の周辺飛散を
防止してください。 - 親株床や育苗床は排水の良い場所を選ぶのが重要です。
- 苗に潅水する際は、出来るだけ水はねしないように心掛けます。トリップ式の
チューブを用いて潅水する方法をお勧めします。
葉枯炭疽病
- 症状は葉・葉柄・ランナーに現れます。葉では、上位葉の葉緑部から黒~黒褐色の
不整形病斑を作ります。病斑は破れやすくなり、葉枯れ症状を示すので、葉枯炭疽病と呼ばれています。 - 葉枯れ症状を示した株のクラウンを切断してみても、内部まで侵されることはありません。
- 葉枯れ症状の株を本舗に定植すると、水滴などで胞子が飛散し、収穫後に
実腐れ症状を起こすことがあります。
- 【発育適温】25℃前後で、従来の炭疽病と比較して最適温度が低く、どの温度帯でも
菌糸のの伸長が遅いことが特徴です。 - 親株床や仮植え床に発生し、本舗での発生はまれです。
- 親株床や育苗床は、排水の良い所を選びます。また、潅水時には、散水圧を低く
したり、点滴潅水にする等、水はねしない工夫が必要です。
萎黄病
- 新葉の3小葉のうち、1~2枚が奇形(小型)化して舟型になってねじれ、黄味を
帯びます。 - 病状は進行すると、株全体が枯死する症状とわい化する症状があります。
- 被害株のクラウン部・葉柄・果梗を切断すると、導管の一部または全体が褐色から
黒褐色に変わっているので、萎黄病かどうか判断するポイントの1つになります。
病原菌は土壌伝染し、発芽して根から侵入し、導管部を侵すので、導管部の褐色
症状が見られます。 - 発病した親株からランナーを伝って苗に伝染する事もあります。
- 【発育適温】28℃で、25~30℃で発病が多くなります。地温15℃以下では
発病しないか、発病しても被害は軽く済む場合が多いです。
- 罹病した場合は、有効な薬剤はないので、無病株から採苗し、無病株を植え付け
するようにします。罹病した株は速やかに除去するようにしましょう。
疫病①
- 初めクラウン部とクラウンから生じる根の基部が褐変し、のちに根部葉柄基部に
進展して地上部が萎凋し、立ち枯れ状になります。 - 枯死した株のクラウンを切断すると、外側から内側に向けて褐変しています。
(これらの症状は炭疽病と同様であり、肉眼での識別は困難です。)
- 【発育適温】30℃前後で、高温期(7~9月)が発生の中心になります。
- 病原菌は被害株の中で越冬し、高温多雨で発生します。
- 疫病の病原菌は、土壌伝染と水媒伝染で発生します。
- 発病圃場や育苗圃場は、薬剤で土壌消毒を行い、圃場の排水を出来るだけ良いようにします。発病した親株からの採苗は伝染の恐れがあるので避けます。
疫病②
- 本舗では、定植直後から萎凋枯死株が散発的に収穫終了後まで続きます。
- 萎凋した株の根は皮膚から黒変し、最後にはボロボロ崩壊します。
- クラウン部を切断すると、その横断面は皮膚から中心部に向かって褐色変が進み、
炭疽病の病徴に酷似しています。しかし、根の被害は炭疽病より著しいので
萎凋枯死の初期段階であれば、判断の基準になります。 - 葉柄は赤紫色に変色し、黒い条状のへこみを生じます。
- 【発育適温】25℃前後です。病原菌の菌糸は10~30℃で生育し、32.5℃では
生育しません。
- 発病圃場や育苗圃場は、薬剤で土壌消毒を行い、圃場の排水を出来るだけ
良くします。
うどんこ病
- うどんこ病は、葉・果実・葉柄・果梗・蕾に発生します。
- 初めは下葉の葉裏に点々と白いカビが生じ、やがて新葉に移行し、多発すると
子葉は上向きに巻き、スプーン状になります。 - 蕾に発生すると花弁にアントシアンが形成し、紅紫色に着色します。
- 【発育適温】20℃前後で、高温(30℃以上)では発生は少なくなりますが、低音(0℃)
でも死滅はせず、かえって発芽が促進される比較的低温性の病原菌です。
多湿・乾燥(20%弱)どちらの条件下でも発病します。 - うどんこ病菌は植物体表面にのみ寄生し、また常に生植物に寄生して共存します。
- 葉・果実・果梗表面に形成された分生子が周囲に飛散し、その後、好適条件になると発病します。分生子は湿度に低い日中に飛散し、湿度が高まる日没後にはほとんど
飛散しません。
- 耐性菌が生じやすいので、薬剤系統を変えて1種類の薬剤の使用回数を減らすことが
重要です。またEBI剤の効果を落とさないようにする為にも、1作において使う
種類は3~4種に留めておくのも重要です。
灰色かび病
- 灰色カビ病は、いちごの地上部全てを侵しますが、果実はもっとも侵されやすい
です。 - 傷口や弱った組織に形成された分生子が飛散して、健全部に付着、定着して
二次感染します。最初は、下葉など枯死した部分に病原菌が寄生増殖し、これが有力
な伝染源となって果実も侵され発病します。
- 【発育適温】20℃前後です。菌は5~30℃で生育し、18~23℃で湿度が高い天気で
分生子が形成されます。 - 曇雨天時(日中湿度95%・気温15~20℃)は発病に好適な環境となります。分生子は
晴天の日はほとんど飛散せず、曇雨天の翌日の午前8~11時よく飛散すると
言われています。 - 過繁茂の場合は発病しやすく、朝夕の急激な冷え込みは発生を助長します。
- 発生時期(1蕃果房と2番果房の開花初め頃、1月の曇天の前など)を想定して、
予防的に薬剤散布を行うよう心がけます。 - 圃場の多湿を避け、老化葉・枯死葉・発病果は伝染源となるので除去します。
いちごの病気ってこんなにあるんですねー!知らないことだらけでした!
農薬について
農薬に関しては親床・本圃でも使用する内容が違います。
また育苗・定植後の苗でも、塗布回数の管理や蜂との関係性もあるので、一概にこれが良いとは
記載出来ません。
こちらでは、主ないちごの殺菌剤一覧のみを記載しますので、どの時期にどれを散布するか?
に関してはご自身で判断をお願いします。
薬剤名 | 使用回数 | 適用病害虫 | 適用病害虫 | 適用病害虫 |
---|---|---|---|---|
ランマンフロアブル | 2回以内 | 疫病 | ||
ポリオキシンAL水和剤 | 3回以内 | 灰色かび病、うどんこ病 | ||
アミスター20フロアブル | 苗床4回 以内・本圃 3回以内 | うどんこ病(本圃3回以内・苗床4回以内) | 炭疽病(本圃3回以内・苗床4回以内) | 灰色かび病(本圃3回以内・苗床4回以内) |
ストロビーフロアブル | 3回以内 | うどんこ病 | ||
ベルクート水和剤 | 5回以内 | うどんこ病 | 炭疽病 | |
ダイマジン | 3回以内 | うどんこ病、灰色かび病 | ||
サンリット水和剤 | 3回以内 | 炭疽病(2000倍)、うどんこ病 | ||
セイビアーフロアブル20 | 3回以内 | 炭疽病(1000倍)、灰色かび病 | ||
トリフミン水和剤 | 5回以内 | じゃのめ病 | うどんこ病 | |
パンチョTF顆粒水和剤 | 2回以内 | うどんこ病 | ||
フルピカフロアブル | 3回以内 | 灰色かび病、うどんこ病 | ||
フルピカくん煙剤 | 3回以内 | 灰色かび病、うどんこ病 | ||
ロブラール水和剤 | 4回以内 | 灰色かび病・菌核病・黒斑病 | ||
ロブラールくん煙剤 | 4回以内 | 灰色かび病 | ||
サプロール乳剤 | 5回以内 | うどんこ病 | ||
サルファーゾル | うどんこ病 | |||
アフェットフロアブル | 3回以内 | うどんこ病、灰色かび病、輪斑病 |
農薬ってこんなにあるんですねー!これは覚えきれないですね・・・。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回はかなり専門的な内容でしたが、いちごの病害虫(病気編)を解説しました。
病害虫は農家をしていれば必ずつきものです。
筆者自身もいちご栽培中は、病害虫に悩まされました。
正しい知識がないと対応が遅れたり、取り返しがつかなくなるので、
様々な情報を自分なりに整理しましょう。
今回の記事が少しでもお役に立てていれば嬉しいです。
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